最近よく目にするキーワードの一つに「デジタルツイン」という言葉があります。
まだ日本国内では馴染みが浅いかもしれませんが、製造業などを中心に徐々に注目を集めており、今後は様々な業界にも浸透していくことが期待されています。
このブログでは、デジタルツインを導入するメリットについてお伝えします。
デジタルツインのメリット
現実的空間(リアル)を仮想的空間(バーチャル)に忠実に再現し、リアルタイムに連動した環境のことを「デジタルツイン」と呼んでいます。
言葉の通り、現実的空間の双子(ツイン)をデジタル空間で産み出した環境をイメージすると分かりやすいかもしれません。
デジタルツインは、現実的空間をリアルタイムに仮想的空間に反映できるため、業務フローの改善、事前のトラブル回避策の実施、リードタイムを短縮した、より精度の高いシミュレーションが可能となり、結果として品質・生産性の向上やコストダウンにつながることが期待されます。
例えば、蓄積された膨大なデータから、生産ラインに不具合が生じる予兆をAIによって分析し、アラートを上げることによってトラブルを未然に防いだり、対応策を施した場合の結果予測をバーチャル空間で行うことによって、素早く検証結果を得ることが可能になります。
また、新製品の開発時にも、実際にトライ&エラーを繰り返す作業よりも、バーチャル空間で先にシミュレーションを行うことで、リードタイムを大幅に削減し、最適な生産フローを導き出すことができ、開発時のコストダウンも期待できます。
デジタルツインの構築
では、実際にデジタルツインを導入する場合は、どんな技術が必要となってくるのでしょうか?
デジタルツインでは、IoT、AI、VR、ARなどの最新技術と共に、リアルタイムロケーションシステム(以下:RTLS)が不可欠となります。
IoTで蓄積した過去と現在のビジネスデータを、従業員、資産、法人物資の位置に関する RTLS情報と統合しAIで分析することで、物理的オブジェクト(例:施設)やプロセス(例:製造プロセス)のリアルタイムなデジタルイメージを作成でき、現実的空間とミラーリングされたバーチャル環境を保つことができるようになります。
RTLS技術に用いられる通信技術は、主にGPS、Wi-Fi、BLE、UWB(Ultra WideBand)などが挙げられます。
GPSの場合は、10m〜20mの精度でデータを取得しますが、建物のドアや壁などでデータが途絶えてしまいます。
Wifiの場合は10m、BLEの場合は20cm〜3mの精度でリアルタイムデータを取得することができます。
UWBに至っては、5cm〜20cmの精度でデータの取得が可能となりますので、それぞれ目的に見合った通信方式を選択することがポイントとなるでしょう。
我々のRTLSソリューションにおいては、上記の通信方式すべてを網羅しています。
まとめ
デジタルツインを導入することで、仮想的空間におけるシミュレーションが可能となり、生産フローの改善、トラブル回避など、様々なメリットがあることをお分かりいただけたでしょう。
現在は、製造業を中心に導入され始めていますが、今後は医療、小売、倉庫、自動車産業、スマートオフィス、スマートシティ、災害対策、ホスピタリティ、ニューノーマルといった様々な分野で活用されることが期待されます。
弊社も、広い範囲でデジタルツインを活用した業務最適化を実感いただけるよう、日々開発を行い、技術の革新に努めていきたいと考えています。
弊社製品、技術に関するご質問はこちらよりお気軽にお問い合わせください。
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