デジタルトランスフォーメーション、デジタルツイン、人流解析、業務活動の可視化、施設の混雑状況の把握、フリーアドレス化されたオフィスでのスタッフの所在地検索など、様々なメディアを賑わすキーワードと一緒に語られることが多いのが「リアルタイムな位置情報」だ。
「だれが/何が」「いつから」「いつまで」「どの期間」「どこにいた」。
集約してしまえばこれだけの情報である「リアルタイムな位置情報」だが、これこそが前述したキーワードを実現する際のベースとなるデータとなり得る事が多いためである。
地図アプリでお馴染みのGPS、その地図アプリで自分自身の位置をさらに正確にするために用いられるWi-Fi、リモコンでよく目にする赤外線、ゲートの開閉やタイムカード代わりにピッとタッチさせるRFID、映像で検知するビデオカメラ‥。
これまでヒトは様々な方法を用いて「リアルタイムな位置情報」を取得しようしてきたが、今回のシリーズでは、その中でも屋内で高い効果を発揮する「ビーコン」を活用した方法に焦点を当て、その基礎的な部分の解説を行っていく。
ビーコンとは?
※ビーコンとは:
元々は「狼煙」や「篝火」の意味。
IoTの世界では「絶えずBluetooth電波を発信し続ける小さな端末(発信機)」を指す。
「位置情報を活用して業務を見える化しよう!見える化した業務を改善しよう!そのためにはビーコンを使った位置情報システムが必要だ!」あなたやあなたのクライアントはそう考えるかもしれない。しかしながら世に「位置情報にはビーコンだ!」という概念が浸透してしばらく経つものの、その構成要素はまだまだ知られていないのが実情である。
シリーズ第1回では、すべての基礎となるこの構成要素について整理していく。
必要な要素
「ビーコンを活用したリアルタイム位置情報ソリューション」に必要な要素はたったの4つしかない。
①ビーコン(発信機)
②センサー(受信機)
③ゲートウェイ(中継機)
④サーバーアプリケーション
以下、それぞれについて簡単に説明していくので、下図を見ながら聞いてほしい。
①ビーコン(発信機)
定められた一定周期ごとに、定められた強さで、ビーコンそれぞれに特有のBluetooth信号を発信し続ける。
②センサー(受信機)
周囲のビーコンから発せられるBluetooth信号をリアルタイムにキャッチする。
キャッチしたビーコンの情報とタイムスタンプをゲートウェイ(中継機)にBluetooth網を経由して即時に転送する。
これが精査前のリアルタイム位置情報となる。
③ゲートウェイ(中継機)
センサー(受信機)から転送されたデータを集約し、クラウド上のサーバーアプリケーションにWi-Fi網を経由して即時にアップロードする。
④サーバーアプリケーション
ゲートウェイ(中継機)からアップロードされた位置情報を集約し、アルゴリズムに沿って取捨選択・分析・精査し、蓄積・管理する。
さらに蓄積・管理されたデータを、ヒトが業務で活用できるようなビジュアルで表現し、表示する。
例)モニタリング対象者の行動ログ
例)モニタリング対象地点の占有率や利用状況
例)モニタリングエリアの混雑ヒートマップ
以上が構成要素とその役割についての解説となるが、雰囲気だけでも把握いただけただろうか?
本シリーズではこの「構成要素」をベースに、個々の要素についてより深い解説を行ったり、ソリューションの具体的な活用方法や導入時の検討のコツなどを解説していく予定である。あなたの理解の一助となれば幸いである。
最後に
Pinmicroでは、ビーコンを活用した位置情報管理ソリューション「AssistPlus」を提供しています。
オフィスや施設のリソース管理についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。