RTLS(Real Time Locating System)に新しい波が来た。
屋内で位置をリアルタイムに把握するための技術は以前より様々な手法で提供されてきた。
中でもBLE(Bluetooth Low Energy)関連製品の登場により、安価にヒトやモノの屋内での位置情報データが取得できるようになり、オフィスでの入退室管理だけでなく工場や倉庫、医療現場や学校等々・・・業種、業態を問わず導入され続けている。
しかし導入実績が増えるにともない、ある問題が度々指摘されてきた。
それは誤検知や位置精度の問題だ。
従来の位置検知方法は「範囲検知」が主流であった。発信機から送信されるビーコン信号を受信機側で範囲設定をし、範囲内で検知したかどうかで位置を特定する方法である。
<範囲検知イメージ>
ビーコンの信号は四方八方に発信され、受信した際のデシベル値の強弱で距離を推定している。ビーコンにしてみれば、何階にいるかは関係ない。デシベル値が近ければその階にいるものと判断する。
そのため3階にいるのに4階と表示される問題も発生していた。
これには範囲設定を調整したり、受信機の設置場所を工夫したりしてなんとか対応してきたが、ユーザーからしてみればビーコンのRTLSを信用できなかった要因の一つでもあった。
ここにきて最近、これらの位置精度の問題を根底から解決してくれる製品群がでてきた。
これまでの「範囲検知」ではなく、どこにいるか?どこにあるか?をセンチメートル単位で、しかもリアルタイムに検知する技術をもった製品群である。
「範囲検知」から「座標検知」へ。
屋内位置検知システム、バージョン2の到来である。
もちろんこれまでにも「座標検知」を実現してくれる製品もあったが、まだまだコスト面で手軽に導入できるというものではなかった。
それが、BLEバージョン5.1以降よりチップがAoA(Angle of Arrival)検知手法に対応し、コスト面の問題が大幅に改善している。
また、UWB(UltraWideBand)を使った製品も出てきている。
<AoAとUWBイメージ>
位置を特定する手法やアルゴリズムは異なるが、どちらも数cmから数十cmの精度で位置をリアルタイムにトレースし、先述のような別の階にいるような誤検知もない。
UWBについては電波の干渉にも強くなっている。
これらのRTLS ver.2製品群により屋内位置情報システムの精度は格段に改善される。
用途もこれまで信用性の問題で採用されなかった、在庫の管理やスポーツ選手の動線分析、AGVやドローンの位置情報等様々な分野に広がっていくことだろう。
最後に
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