こんにちは!
今回は、正確な屋内位置情報の取得に関して、Bluetooth 5.1を使用したAoA(Angle Of Arrival: 到達角度)方式についてご紹介したいと思います。
ビジネスリソース(従業員/資産/在庫)を最適化するソリューション「AssistPlus」でも、まもなく日本で初めてのこのAoA方式を導入したリアルタイム位置情報追跡ソリューションとしての商用リリースを予定しています。
AoA(Angle Of Arrival: 到達角度)方式とは?
AoA方式とは、信号の受信角度を元に、発信機の位置を特定する手法のことです。
AoA方式では、発信機から送信する信号を、複数のアンテナで受信して、アンテナごとの受信角度の位相差を計算することによって、発信機がある地点の高さや距離を測定します。
また、このデータと受信信号強度(RSSI)を組み合わせることで、物体の場所をリアルタイムで正確に特定することが可能になります。
AoA方式で取得した位置情報の精度は、通常±20〜30 cmですが、測位システムで使用されるプロセスによって異なる場合もあります。
AoAの三角測量をベースとしたプロセスは、高精度の位置情報取得に最もよく使用される手法の1つです。
その原理と使用例については、この後ご紹介します。
AoA方式の技術
AoA(到着角度)方式を採用する場合、発信機からは、1つのアンテナを使用して信号を送信します。
一方、受信機には一列に配列された複数のアンテナが内蔵され、この複数のアンテナによって発信機からの信号を受信します。
信号が受信機に到達すると、それぞれのアンテナが受け取った信号の位相の差を元に、信号の到達角度を計算します。
この方式は、これまで使用されていたBluetooth方式に比べて、およそ10倍も正確で、高精度の位置データを取得することが可能になります。
このアルゴリズムは、ノード間の正確な角度とともに、送信する信号の方向を決定するために使用されます。
AoA(到着角度)とRSSI(受信信号強度)
AoAとRSSIはどちらも、Bluetoothの技術を使用して正確な位置情報を取得するために使用されますが、これらのアプローチの背景にある動作原理は異なります。
AoAを使用して物体の位置を特定するには、先に説明した角度推定手法を採用したネットワーク構造が必要です。
1つのアンテナから送信された信号は、複数のアンテナを内蔵した、ロケーターと呼ばれるデバイスによって受信します。
3次元での位置情報は、少なくとも2つ以上のロケーターを使用した三角測量によって推定されます。
RSSIの主な目的は、発信機からの信号の強度を測定することです。
例えば、池に石を投げ入れた時を想像してみてください。
石を池に投げ入れると波が発生しますが、その波は、落下地点から遠くなるほど弱まります。
このように、距離の測定には信号の強度に関連していることがわかります。
このような手法をマルチラテーションと呼びます。
AoA方式のユースケース
AoAを使用した正確な位置情報の特定は、様々な分野でのパフォーマンス向上に繋がります。
- 【倉庫やオフィス】スタッフと資産の位置情報を追跡することで、適切な配置や業務環境を整え、業務を効率化・最適化します。物資の上下位置も把握できるため、これまで把握が困難であった環境でも、把握に役立ちます。
また、危険なエリアへの立ち入りを監視してスタッフの安全を確保します。 - 【医療施設】医師や患者の位置情報を把握することで、例えば、要介助の患者がベッドから落下した際に速やかにアラートを上げ、適切な患者のサポートや迅速な対応を行うことができるので、より安心な医療サポートを実現することができます。
- 【スポーツ業界】選手の動きやスピードの把握を行うことでパフォーマンス向上が期待できます。
- 【建設業界】機材・作業員の正確な位置情報を取得、管理することにより、より安全な現場管理を実施することができます。
最後に
AoA方式を採用した正確な位置情報の追跡は、オフィスや医療施設など、様々なシーンで活用されています。
会社のリソース管理についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください!